コラム
屋根
修理が必要な瓦屋根の状態とは?状態別の修理方法や費用相場について解説
2023.05.13
古きよき日本の住宅といえば、瓦屋根をイメージする方も多いでしょう。現在でも、日本の住宅で多く採用されており、見た目や耐久性の高さから人気があります。
しかし、自宅の屋根材として瓦を採用している方のなかには、
「瓦屋根って修理が必要なのかな?」
「瓦がひび割れていて修理したいけれど、どのくらいの費用がかかるのだろう」
など、瓦屋根の修理について悩んでいる方もいるでしょう。
そこで今回は、瓦屋根を修理すべき時期やサイン、症状ごとの修理方法などを解説します。また、瓦屋根の修理費用の相場についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
瓦屋根はほかの屋根材と比較して、耐久性が高いことが特徴です。しかし、メンテナンスが不要というわけではありません。
瓦屋根の状態を長く維持していくためには、適切なタイミングで部分修理や葺き替えなどの修理を行う必要があります。とはいえ、実際に不具合が発生していなければ、いつ修理すべきかわからない方も多いでしょう。
瓦屋根を修理すべきタイミングは、「時期」もしくは「劣化のサイン」で判断するのがおすすめです。
たとえば、最初に瓦屋根の修理を行うべきタイミングは、下地が耐用年数を迎える20〜30年が目安とされています。さらに、新築から50〜60年ほど経つと、瓦自体が寿命を迎えるため、葺き替えを検討すべきタイミングであるといえます。
また、瓦屋根に以下のような症状が見られた場合も、修理が必要です。
・瓦のズレ
・瓦のひび割れ
・瓦の飛び
・棟のズレや破損
・漆喰の剥がれ・崩れ
・下地・防水シートの劣化、雨漏り
・瓦自体の劣化
このように、修理の目安となる時期、もしくは劣化症状から修理のタイミングを判断しましょう。
瓦屋根の修理といってもさまざまな方法があり、状態に合わせて適切な方法を選ぶことが大切です。
ここでは、修理が必要な瓦屋根の状態を詳しく解説したうえで、症状別の修理方法や修理費用の目安を解説します。
新たに材料を購入したり、特殊な道具を使ったりする必要がないため、短時間かつ安価に修理できます。
作業範囲などで費用相場は変わりますが、1戸あたり5万円前後(足場代を含まない)が目安となるでしょう。
コーキングに必要な材料代は安価であるため、1箇所あたり3〜5万円前後(足場代を含まない)が費用の目安です。ただし、修理箇所が多くなれば、高額になる可能性があります。
また、コーキングによる修理ができるのは、小さなひび割れのみです。大きなひび割れはコーキングで修理できないため、瓦自体の交換が必要になるでしょう。
差し替える瓦を外し、新しい瓦を設置するというシンプルな作業工程であるため、1箇所5万円前後(足場代を含まない)が費用の目安です。
しかし、棟は劣化しやすい箇所であり、棟瓦のズレや破損といった症状が表れることがあります。放置していると雨漏りなどにつながる恐れがあるため、早めに修理しなければなりません。
棟瓦のズレや破損が発生しているときは、一度棟を解体して土台を新たに作り、新しい棟瓦を施工して修理を行います。手間のかかる修理方法のため、15〜35万円(足場代を含まない)が費用の目安です。
漆喰があることで、棟から雨水が入らないようにしているのですが、15〜20年程度で劣化し始めるとされています。屋根の頂上部分のため見えにくく劣化に気が付きにくいですが、漆喰の劣化を放置していると雨漏りにつながるため、漆喰の詰め直し工事が必要です。
既存の漆喰を撤去し、新しい漆喰を詰め直す方法であり、工数や材料代がかかることから1㎡あたり3,000~5,000円(足場代を含まない)が費用相場となっています。
瓦屋根に限ったことではありませんが、屋根は3層で構成されています。最も外側(1層目)の屋根材とその下(2層目)にある防水シートが雨水を防止する役割を担っており、最も内側にある野地板には防水機能がないものの、屋根材が風邪で飛ばされないよう固定する役割があります。
瓦屋根は、瓦自体の耐用年数は50〜60年以上とされていますが、野地板や防水シートは20〜30年が目安です。
そのため、新築や前回のメンテナンスから20〜30年経過している、雨漏りが発生しているといった場合、瓦の葺き直しが必要となります。
瓦の葺き直しとは、一度瓦屋根を解体して、野地板や防水シートを修理・交換し、一度取り外した瓦を再度施工し直すことです。一般的な住宅でも瓦は1,500〜3,000枚ほど使用されているため、大がかりな屋根修理となります。
なお、瓦の葺き直しにかかる費用は1戸あたり150〜250万円が相場です。
そのため、瓦自体が劣化してきたときは、瓦の葺き替えが必要となります。葺き替え工事は、既存の瓦を撤去・処分して、新しい屋根材を設置する方法です。新しい瓦を施工できるのはもちろん、異なる屋根材に変更することもできます。
瓦をほかの屋根材に変更するメリットは以下のとおりです。
・瓦は素材の重量が重いため、窯業系サイディングや金属系サイディングなどに変更することで、屋根が軽量化できて耐震性向上が期待できる
・家の外観を変えられる
・防音性、断熱性など、求める機能に合う屋根材を選べる
また、葺き替えは屋根の劣化状態をリセットできることがメリットです。
しかし、既存の屋根材を撤去して処分しなければならない、新しい屋根材が必要といったことから、高額な費用がかかる点がデメリットです。1戸200〜350万円が相場となっており、屋根修理のなかで最も高額な費用がかかります。
家のメンテナンスのなかでも、屋根修理は高額な費用がかかりがちです。とくに、瓦は素材自体の単価が高いことから、修理方法によっては数百万円単位の出費となります。
そこで、業者から提示された見積もりが適正価格かを判断するためにも、費用の内訳までしっかりとチェックすることが大切です。
ここでは、足場代や材料代など瓦屋根の修理にかかる費用の内訳を解説します。
労働安全衛生法では、2メートル以上の高さで行う作業のことを「高所作業」と定義しており、高所作業を伴う工事については足場を設ける必要があると義務付けています。
一般的な2階建ての住宅の場合、屋根の高さは6〜7m程度、最も高いところで7〜9m程度が標準とされているため、屋根修理は必然的に足場が必要であるとわかるでしょう。
また、足場をしっかりと組み立てることで、職人が安全かつ安定した体制で作業できるようになり、施工時の安全性向上や屋根修理の品質アップなどが期待できるメリットがあります。
どの範囲の屋根修理を行うかによって変わるものの、足場代は40坪2階建ての住宅で20万円程度が相場です。
たとえば、葺き替えなど新しい瓦を使う屋根修理では、材料代の一つとして瓦代が必要になります。
どの種類の瓦を使用するかによりますが、釉薬瓦は1㎡あたり5,000〜15,000円が相場です。また、高級瓦といわれるいぶし瓦は1㎡あたり8,000~18,000円が相場となっています。
1㎡あたりでみると数千円の差ですが、屋根全面に施工する葺き替えなどでは、採用する瓦の種類によって施工費用に大きな差が出ます。
また、雨漏りが発生していなくても、部分的に瓦屋根を修理するときは瓦屋根の劣化状態を調べるために雨漏り点検を勧められるケースがあるでしょう。ただし、屋根の葺き替え工事を行う場合、劣化症状をリセットできるため雨漏り点検は必要ありません。
雨漏りの点検費用の相場は以下のとおりです。
・目視点検:3万円(無料の場合もあり)
・散水調査:3~20万円
・発光液調査:5~20万円
・サーモグラフィ調査:5~30万円
瓦屋根の修理方法や修理費用の相場を調べていくと、
「瓦屋根の修理って予想以上に高い」
「瓦屋根の修理をしたいければ、費用が支払えるか心配」
といったように、費用面が不安になる方も多いでしょう。
ここでは、瓦屋根の修理費用を抑えるコツを解説します。
業者の運営体制や設定している利益率などで見積もり総額が変わるため、いくつかの業者から見積もりを取って比較することをおすすめします。
ただし、「安い=良い」というわけではありません。相場より安すぎる場合は、必要な工程を省いているなど悪徳業者である可能性も考えられるため、見積もり金額と内容をチェックし、安心して任せられる業者を選ぶことが大切です。
たとえば、瓦屋根の一部が破損している場合、その部分の瓦を差し替えるだけで修理できるケースもあります。部分補修ができれば、全面工事を行うよりも費用を抑えられます。
ただし、工事しなかった部分がすぐに劣化して、再び修理が必要になることも少なくありません。さらに、部分補修は割高であるため、部分補修を何度も行うよりも、全面工事をするほうが将来的にかかる屋根修理のコストを抑えられるケースがあるといった注意点もあります。
火災保険が適用されれば、工事費用を大幅に抑えられる可能性があるため、災害で屋根瓦が被害を受けたときは必ず確認してみましょう。
ただし、加入している火災保険の補償内容や、申請の手順をしっかりと確認したうえで、手続きを進めることが大切です。
たとえば、国が実施している「住宅・建築物耐震改修事業による補助金」では、住宅の安全性確保を図るため、耐震性向上を目的とした工事に対して補助金が支給されています。補助率は工事費用に対して23%、最大83.8万円(多雪区域を除く)となっています。また、各自治体が行っている制度もあります。
利用できる助成金制度や補助金制度がないか、確認してみてください。
その場合、瓦屋根の修理費用の支払いにローンを利用するという選択肢があります。銀行や住宅金融支援機構などが融資を実施しており、一時的な大きな出費を抑えつつ修理が可能となります。
お金がないからといって瓦屋根の修理を先延ばしにすると、どんどん状態が悪化する可能性があるため、リフォームローンも選択肢の一つとして検討してみましょう。
修理費用を抑えることなどを目的に、瓦屋根の修理をDIYで実施できるのか知りたい方もいるでしょう。
結論として、瓦屋根の修理をDIYで実施するのはおすすめしません。
屋根は高所作業になることに加え、傾斜があるため滑落の危険が高く、万が一屋根から落下すれば命にかかわります。また、屋根から工具を落として通行人にぶつかってしまったり、知識や技術がない状態で修理をして状態が悪化したりするリスクもあります。
たとえ部分修理であったとしても、瓦屋根の修理は必ず業者に依頼するようにしましょう。
外壁・屋根リフォームを検討している方は、全国109店舗のネットワークを持ち、施工実績48,000件以上のガイソーにご相談ください。専門店ならではの高品質な施工とサービスで、お客様目線の屋根リフォームを提案いたします。
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今回は、瓦屋根の修理方法や修理にかかる費用相場などを解説しました。
瓦は素材の耐用年数が長いことが特徴ですが、防水シートが劣化したり、棟部分が破損したりすることがあります。そのため、不具合が見られたら、瓦屋根の修理を行うようにしましょう。
また、瓦屋根は修理方法によって費用相場に差があり、葺き替えや葺き直しを実施するときは高額になりがちです。高額な費用がかかる分、信頼できる業者を選ぶ、できるだけ費用を抑えるコツを知っておくなどして、瓦屋根の修理を進めましょう。
ぜひ今回の記事を参考に、納得できる瓦屋根の修理を進めてみてください。
しかし、自宅の屋根材として瓦を採用している方のなかには、
「瓦屋根って修理が必要なのかな?」
「瓦がひび割れていて修理したいけれど、どのくらいの費用がかかるのだろう」
など、瓦屋根の修理について悩んでいる方もいるでしょう。
そこで今回は、瓦屋根を修理すべき時期やサイン、症状ごとの修理方法などを解説します。また、瓦屋根の修理費用の相場についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
瓦屋根を修理すべき時期やサイン
瓦屋根はほかの屋根材と比較して、耐久性が高いことが特徴です。しかし、メンテナンスが不要というわけではありません。
瓦屋根の状態を長く維持していくためには、適切なタイミングで部分修理や葺き替えなどの修理を行う必要があります。とはいえ、実際に不具合が発生していなければ、いつ修理すべきかわからない方も多いでしょう。
瓦屋根を修理すべきタイミングは、「時期」もしくは「劣化のサイン」で判断するのがおすすめです。
たとえば、最初に瓦屋根の修理を行うべきタイミングは、下地が耐用年数を迎える20〜30年が目安とされています。さらに、新築から50〜60年ほど経つと、瓦自体が寿命を迎えるため、葺き替えを検討すべきタイミングであるといえます。
また、瓦屋根に以下のような症状が見られた場合も、修理が必要です。
・瓦のズレ
・瓦のひび割れ
・瓦の飛び
・棟のズレや破損
・漆喰の剥がれ・崩れ
・下地・防水シートの劣化、雨漏り
・瓦自体の劣化
このように、修理の目安となる時期、もしくは劣化症状から修理のタイミングを判断しましょう。
修理が必要な瓦屋根の状態とそれぞれの修理方法・修理費用
瓦屋根の修理といってもさまざまな方法があり、状態に合わせて適切な方法を選ぶことが大切です。
ここでは、修理が必要な瓦屋根の状態を詳しく解説したうえで、症状別の修理方法や修理費用の目安を解説します。
瓦のズレ:瓦の並べ直し
台風や豪雨などの強風、地震などで瓦屋根がズレてしまったときは、瓦自体や他の箇所に影響がなければ瓦の並べ直しによる修理が行われます。新たに材料を購入したり、特殊な道具を使ったりする必要がないため、短時間かつ安価に修理できます。
作業範囲などで費用相場は変わりますが、1戸あたり5万円前後(足場代を含まない)が目安となるでしょう。
瓦のひび割れ:瓦のコーキング補修
経年劣化や強風、地震などで瓦自体がひび割れてしまったときは、ひび割れ部分をコーキングで塞ぐ修理が必要となります。コーキングに必要な材料代は安価であるため、1箇所あたり3〜5万円前後(足場代を含まない)が費用の目安です。ただし、修理箇所が多くなれば、高額になる可能性があります。
また、コーキングによる修理ができるのは、小さなひび割れのみです。大きなひび割れはコーキングで修理できないため、瓦自体の交換が必要になるでしょう。
瓦のひび割れ・飛び:瓦の差し替え・交換
台風や強風、地震などの影響で瓦が大きくひび割れたり、飛んでいったりすることがあります。その際、瓦を差し替える(交換する)修理が必要です。差し替える瓦を外し、新しい瓦を設置するというシンプルな作業工程であるため、1箇所5万円前後(足場代を含まない)が費用の目安です。
棟瓦のズレや破損:棟瓦の積み直し(取り直し)
屋根瓦の棟の部分は、棟瓦という専用の瓦が用いられています。しかし、棟は劣化しやすい箇所であり、棟瓦のズレや破損といった症状が表れることがあります。放置していると雨漏りなどにつながる恐れがあるため、早めに修理しなければなりません。
棟瓦のズレや破損が発生しているときは、一度棟を解体して土台を新たに作り、新しい棟瓦を施工して修理を行います。手間のかかる修理方法のため、15〜35万円(足場代を含まない)が費用の目安です。
漆喰の剥がれ・崩れ:漆喰の詰め直し
棟瓦の隙間部分には、粘土のような見た目の漆喰が詰め込まれています。漆喰があることで、棟から雨水が入らないようにしているのですが、15〜20年程度で劣化し始めるとされています。屋根の頂上部分のため見えにくく劣化に気が付きにくいですが、漆喰の劣化を放置していると雨漏りにつながるため、漆喰の詰め直し工事が必要です。
既存の漆喰を撤去し、新しい漆喰を詰め直す方法であり、工数や材料代がかかることから1㎡あたり3,000~5,000円(足場代を含まない)が費用相場となっています。
野地板・防水シートの劣化、雨漏り:瓦の葺き直し
瓦屋根の下地や防水シートが劣化し、雨漏りが発生しているときは、瓦の葺き直しが必要です。瓦屋根に限ったことではありませんが、屋根は3層で構成されています。最も外側(1層目)の屋根材とその下(2層目)にある防水シートが雨水を防止する役割を担っており、最も内側にある野地板には防水機能がないものの、屋根材が風邪で飛ばされないよう固定する役割があります。
瓦屋根は、瓦自体の耐用年数は50〜60年以上とされていますが、野地板や防水シートは20〜30年が目安です。
そのため、新築や前回のメンテナンスから20〜30年経過している、雨漏りが発生しているといった場合、瓦の葺き直しが必要となります。
瓦の葺き直しとは、一度瓦屋根を解体して、野地板や防水シートを修理・交換し、一度取り外した瓦を再度施工し直すことです。一般的な住宅でも瓦は1,500〜3,000枚ほど使用されているため、大がかりな屋根修理となります。
なお、瓦の葺き直しにかかる費用は1戸あたり150〜250万円が相場です。
瓦自体の劣化:瓦の葺き替え
瓦は耐用年数が長いとはいえ、50〜60年が目安であり、いつかは寿命を迎えます。そのため、瓦自体が劣化してきたときは、瓦の葺き替えが必要となります。葺き替え工事は、既存の瓦を撤去・処分して、新しい屋根材を設置する方法です。新しい瓦を施工できるのはもちろん、異なる屋根材に変更することもできます。
瓦をほかの屋根材に変更するメリットは以下のとおりです。
・瓦は素材の重量が重いため、窯業系サイディングや金属系サイディングなどに変更することで、屋根が軽量化できて耐震性向上が期待できる
・家の外観を変えられる
・防音性、断熱性など、求める機能に合う屋根材を選べる
また、葺き替えは屋根の劣化状態をリセットできることがメリットです。
しかし、既存の屋根材を撤去して処分しなければならない、新しい屋根材が必要といったことから、高額な費用がかかる点がデメリットです。1戸200〜350万円が相場となっており、屋根修理のなかで最も高額な費用がかかります。
瓦屋根の修理と一緒にかかる費用
家のメンテナンスのなかでも、屋根修理は高額な費用がかかりがちです。とくに、瓦は素材自体の単価が高いことから、修理方法によっては数百万円単位の出費となります。
そこで、業者から提示された見積もりが適正価格かを判断するためにも、費用の内訳までしっかりとチェックすることが大切です。
ここでは、足場代や材料代など瓦屋根の修理にかかる費用の内訳を解説します。
足場代
瓦屋根の修理は高所作業となるため、必ず足場代がかかります。労働安全衛生法では、2メートル以上の高さで行う作業のことを「高所作業」と定義しており、高所作業を伴う工事については足場を設ける必要があると義務付けています。
一般的な2階建ての住宅の場合、屋根の高さは6〜7m程度、最も高いところで7〜9m程度が標準とされているため、屋根修理は必然的に足場が必要であるとわかるでしょう。
また、足場をしっかりと組み立てることで、職人が安全かつ安定した体制で作業できるようになり、施工時の安全性向上や屋根修理の品質アップなどが期待できるメリットがあります。
どの範囲の屋根修理を行うかによって変わるものの、足場代は40坪2階建ての住宅で20万円程度が相場です。
瓦代
屋根修理を行うときは、瓦代も注目すべきポイントです。たとえば、葺き替えなど新しい瓦を使う屋根修理では、材料代の一つとして瓦代が必要になります。
どの種類の瓦を使用するかによりますが、釉薬瓦は1㎡あたり5,000〜15,000円が相場です。また、高級瓦といわれるいぶし瓦は1㎡あたり8,000~18,000円が相場となっています。
1㎡あたりでみると数千円の差ですが、屋根全面に施工する葺き替えなどでは、採用する瓦の種類によって施工費用に大きな差が出ます。
雨漏りの点検費用
瓦屋根からすでに雨漏りが発生している場合は、雨漏りの原因を特定するために雨漏りの点検が必要となるため、点検費用が発生します。また、雨漏りが発生していなくても、部分的に瓦屋根を修理するときは瓦屋根の劣化状態を調べるために雨漏り点検を勧められるケースがあるでしょう。ただし、屋根の葺き替え工事を行う場合、劣化症状をリセットできるため雨漏り点検は必要ありません。
雨漏りの点検費用の相場は以下のとおりです。
・目視点検:3万円(無料の場合もあり)
・散水調査:3~20万円
・発光液調査:5~20万円
・サーモグラフィ調査:5~30万円
瓦屋根の修理費用を抑えるコツ
瓦屋根の修理方法や修理費用の相場を調べていくと、
「瓦屋根の修理って予想以上に高い」
「瓦屋根の修理をしたいければ、費用が支払えるか心配」
といったように、費用面が不安になる方も多いでしょう。
ここでは、瓦屋根の修理費用を抑えるコツを解説します。
相見積もりを取る
瓦屋根の修理は定価が決まっていないため、同じ工事内容でも業者ごとに見積もり金額が変わります。業者の運営体制や設定している利益率などで見積もり総額が変わるため、いくつかの業者から見積もりを取って比較することをおすすめします。
ただし、「安い=良い」というわけではありません。相場より安すぎる場合は、必要な工程を省いているなど悪徳業者である可能性も考えられるため、見積もり金額と内容をチェックし、安心して任せられる業者を選ぶことが大切です。
可能であれば部分修理を行う
瓦屋根は葺き直しや葺き替えなどの全面的な修理のほか、状態によっては部分補修が可能です。たとえば、瓦屋根の一部が破損している場合、その部分の瓦を差し替えるだけで修理できるケースもあります。部分補修ができれば、全面工事を行うよりも費用を抑えられます。
ただし、工事しなかった部分がすぐに劣化して、再び修理が必要になることも少なくありません。さらに、部分補修は割高であるため、部分補修を何度も行うよりも、全面工事をするほうが将来的にかかる屋根修理のコストを抑えられるケースがあるといった注意点もあります。
火災保険を利用する
台風で屋根瓦が飛んでしまった、強風で飛んできた飛来物がぶつかって瓦が破損したなど、自然災害によって瓦屋根の不具合が生じたときは、火災保険の対象となる可能性があります。火災保険が適用されれば、工事費用を大幅に抑えられる可能性があるため、災害で屋根瓦が被害を受けたときは必ず確認してみましょう。
ただし、加入している火災保険の補償内容や、申請の手順をしっかりと確認したうえで、手続きを進めることが大切です。
助成金や補助金を利用する
国や自治体が実施している助成金制度や補助金制度のなかには、屋根瓦のリフォームに利用できる制度があります。たとえば、国が実施している「住宅・建築物耐震改修事業による補助金」では、住宅の安全性確保を図るため、耐震性向上を目的とした工事に対して補助金が支給されています。補助率は工事費用に対して23%、最大83.8万円(多雪区域を除く)となっています。また、各自治体が行っている制度もあります。
利用できる助成金制度や補助金制度がないか、確認してみてください。
リフォームローンを活用する
助成金や補助金が利用できたとしても、瓦屋根の修理では数十万円〜数百万円の自己負担が発生します。その場合、瓦屋根の修理費用の支払いにローンを利用するという選択肢があります。銀行や住宅金融支援機構などが融資を実施しており、一時的な大きな出費を抑えつつ修理が可能となります。
お金がないからといって瓦屋根の修理を先延ばしにすると、どんどん状態が悪化する可能性があるため、リフォームローンも選択肢の一つとして検討してみましょう。
瓦屋根の修理は自分でできる?
修理費用を抑えることなどを目的に、瓦屋根の修理をDIYで実施できるのか知りたい方もいるでしょう。
結論として、瓦屋根の修理をDIYで実施するのはおすすめしません。
屋根は高所作業になることに加え、傾斜があるため滑落の危険が高く、万が一屋根から落下すれば命にかかわります。また、屋根から工具を落として通行人にぶつかってしまったり、知識や技術がない状態で修理をして状態が悪化したりするリスクもあります。
たとえ部分修理であったとしても、瓦屋根の修理は必ず業者に依頼するようにしましょう。
外壁・屋根リフォームを検討している方は、全国109店舗のネットワークを持ち、施工実績48,000件以上のガイソーにご相談ください。専門店ならではの高品質な施工とサービスで、お客様目線の屋根リフォームを提案いたします。
ガイソーへのご相談はこちら
まとめ
今回は、瓦屋根の修理方法や修理にかかる費用相場などを解説しました。
瓦は素材の耐用年数が長いことが特徴ですが、防水シートが劣化したり、棟部分が破損したりすることがあります。そのため、不具合が見られたら、瓦屋根の修理を行うようにしましょう。
また、瓦屋根は修理方法によって費用相場に差があり、葺き替えや葺き直しを実施するときは高額になりがちです。高額な費用がかかる分、信頼できる業者を選ぶ、できるだけ費用を抑えるコツを知っておくなどして、瓦屋根の修理を進めましょう。
ぜひ今回の記事を参考に、納得できる瓦屋根の修理を進めてみてください。
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